ハコ。
箱。
そう、箱だ。
箱に、あいつを入れてしまおう。
届いた荷物を見て、そう思った。
ハコ。俺の想い人は、ふらふらと危なっかしいやつだ。
誰にでも話しかけるし、疑わない。
お前を狙っているやつが何人いると思ってるんだ!
クラスの狭山だって、大石だって、三田だって。みんなお前のこと狙ってる。
俺というものがありながら、お前はすぐにフラフラと居なくなっちゃうから。
だからさ、箱。
箱に閉じ込めちゃおうと思ったんだ。
「な、静。」
何も反応がない静に手を伸ばす。
静は、名前に反してよく喋るやつだった。
だけど、今は名前の通り静かになっている。
縛ったりしたせいかな?
でもさ、お前すぐ逃げようとして暴れるからしょうがないよな。
ここは箱。
静を閉じ込めておくための箱。
俺へのとびっきりのプレゼント。
「愛してるよ」
静はなんにも返事をしなかった。
<終>
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